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新規導入! Solidcom C1 HUB8S

Posted by MONSTER DIVE

皆様こんにちは、LIVEプロダクション事業部に所属しています、YOUです。
普段は機材の管理や機材の動作確認を行ったり、配信の現場では配信管理、Zoom管理、音声アシスタント、テクニカルアシスタントなどを担当しています。

今回の記事では新規導入しました、Hollyland社の『Solidcom C1-HUB8S』をご紹介します!

探していた... 完全ワイヤレスインカム!

配信や収録の現場では、スタッフ間の指示出しなどでインカムをよく使用しますが、有線タイプ、または無線でも子機とヘッドセットが有線で繋がっているタイプがほとんどでした。
完全ワイヤレスタイプはないかと探していたところ、なんとも素晴らしい完全ワイヤレスインカムを発見!
そう、それが『Solidcom C1-HUB8S』です。
知れば知るほどワクワクする製品なので、ぜひ最後までお付き合いください!

Solidcom C1 HUB8S

超シンプルな使用方法

ではまず使い方についてご説明します。

  1. HUBにアンテナを装着します。
  2. HUBに電源ケーブルを接続し、電源をONにします。
  3. ヘッドセットにバッテリーを入れ、電源をONにします。
  4. グループAを選択します。
  5. マイクアームを下げて通話します。

これで終わりです。
...え、本当に?と思いますが、本当にこれだけです。
細かい設定など一切必要なく、超シンプルに使用できます。
HUBの電源がついている状態であれば、ヘッドセットの電源を入れるだけで即ペアリングしてくれます。
「会場の設営段階でインカムを使いたい」という場面では特に便利です。
それ以外の時でも便利ですけどね!笑

かゆいところに手が届く、性能紹介

もちろん、使用方法がシンプルという以外にも強みがたくさんあります。
では早速、性能などについてどんどんご紹介していきます。

完全ワイヤレス

なんといっても一番の強みが完全ワイヤレスという点。ケーブルの煩わしさゼロとなっています!
他にもメリットはたくさんあります。

  • インカム用のケーブルを、台数分×何十メートルと引かなくていい
    =設営時間の短縮、ケーブル費の削減
  • 動く時にケーブルの長さ、ルートを気にしなくて良い
    =スタッフが迅速に動くことができる
  • ケーブルを引っ掛けて、インカムを落とすことがない
    =うっかり落下させてインカムを壊してしまうことが減る

などなど、現場で常に気にかけないといけないことがごっそり解消されます。
実際当社でも、現場で移動することが多いディレクター陣が『Solidcom C1-HUB8S』の導入を一番喜んでいました。笑

もちろんミュート、音量調整、グループ選択はヘッドセットから簡単にできます。
イヤーカップの外側にボタンがついており、それぞれが少し離れた場所にあるのと、各ボタンでちょっとだけ形が違うので見て確認しなくても操作ができます。

完全ワイヤレス

音量+ボタンはサイズが大きかったり、画像で伝わるかちょっと怪しいですが、グループAボタンがちょっと凹んでいたり、ボタンの形やサイズが違います。
なのでどのボタンかを触った感触で判別できるので、ノールックで操作ができます。
ミュートに関しては、マイクアームを上げればミュート状態、下げればミュート解除。
ちなみにマイクアームは前後どちらにも倒れるので、左耳、右耳どちらにも対応できます。
この時点で「そうそう、そういうのが欲しかった!」が詰め込まれた夢のような製品だと個人的には思っています。

ペアリング操作不要

使用方法の説明でもちらっと話題に出ましたが、製品が届いた時点でペアリングの設定が済んでいます。
なので、電源を付けただけで即ペアリングします。
付属のUSBケーブルでHUBとヘッドセットを接続して、ペアリングし直すこともできるとのことです。

通信可能範囲は半径約350m

「おお...? それはすごいのか?」とピンと来ない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
自分は最初全くピンと来ませんでした。笑
350mと言われてピンと来る人は現場慣れしていらっしゃるのでしょう。
比較を出してみるとイメージしやすいかもしれません。

  • 徒歩5分強の距離 ※一般的な歩行速度(時速4km)の計算
  • 特定小電力トランシーバー(免許が不要なトランシーバー)は伝送距離が200m前後の物が多い

とのことです。なるほど!(自分で納得)
何かを伝えるために往復10分の距離を移動する必要がないし、平均的なトランシーバーより通信可能範囲が広いということですね。
少なくとも、350mのインカムケーブルを引かなくて済むのはかなりでかいです。
※ひとつ注意点としましては、約350mという数値は"障害物がない見晴らしの良い場所"という条件です。これはワイヤレス製品のほとんどに共通することなのですが、念のため記載しておきます。

ちなみに、建物の階層が1-2階違うくらいでは、通信が途切れる気配は一切ありませんでした。
いつか通信可能ギリギリのラインがどれくらいなのかを検証してみたいものです!
(新しい機材の性能を確認する時間がめちゃくちゃ楽しいので、今からワクワクしています。笑)

ヘッドセットの重さが170g

これは持ったり装着してみるとわかります... 本当に軽い!
しかもバッテリーを含めた重量です。
こちらも数値ではわかりづらいので比較を出してみますと、

  • iPhone13は173g
  • ゲーミングヘッドセットは350g~400gくらいのものが多い

ということです。無線でこれほど軽いのは革命的ですね。
長時間の現場で重さと戦うことになると地獄を見るので、これは地味に嬉しいポイントです。

1セットで最大9台のインカムが使用可能

「え、ヘッドセットって8台だけでしょ?」と思われている方がいるかもしれません。
ところがどっこい、HUBに有線で接続するヘッドセットが1台付いてきます!
それをHUBに接続すると、ワイヤレスヘッドセットに加えて、合計9台を使用することができます。
当社では今のところ、本番中はその場から動くことがほぼないスイッチャー担当の人がHUBの有線ヘッドホンを使用することが多いです。
また、HUBの前面右側にあるマイクマークのボタンを押すと、ワイヤレスヘッドセットの全ての音が強制的にミュートになり、HUBからの指示のみを届けることができる機能も付いています。

1セットで最大9台のインカムが使用可能

「他の声に紛れてしまって重要な指示が届かない」という場面があれば使用できそうですね。

最大3台のHUBを接続することが可能

こちらは製品概要で確認しただけですが、最大3台のHUBをカスケード接続ができるそうです。
それはつまり、有線ヘッドセットを含めて最大27人で同時通話できるということ...!?
実際にどのような動作になるのかを検証できていないので、どうしてもぼやっとした言い方になってしまいますが、27人同時に使用ができる場合、大型のイベントなどでも使用できますよね。

実際、当社で『Solidcom C1-HUB8S』を選んだ理由が、「拡張性があるから」でした。
同シリーズの『Solidcom C1-6S』(親機もワイヤレスヘッドセットの製品)は、コンパクトで利便性は抜群なのですが、最大で6台までしか接続できないことから、当社の使い方には『Solidcom C1-HUB8S』がベストでした。

フル充電でヘッドセットが10時間駆動

長っ! 短めの現場ならバッテリー交換なしで乗り切れるレベルです。
また『Solidcom C1-HUB8S』のセットには、ワイヤレスヘッドセットの台数×2のバッテリーが含まれています。
バッテリーのフル充電にかかる時間が2.5時間(駆動時間の4分の1)なので、無限にループして使用することができちゃいます。
長時間の現場で「頼むバッテリー、最後まで持ってくれ!」とドキドキしながら祈る必要は無くなりそうです。

VマウントなどのバッテリーでHUBの給電が可能

「電源を取れる場所がない!」という場面で使用することもあるかと思います。
そんな時はNP-FバッテリーやVマウント/GマウントをHUBの上に接続すると、それで給電することが可能です。

バッテリーでHUBの給電が可能

また電源ケーブル&バッテリー接続をすることで、電源のバックアップとして使用することもできます。
HUBまでワイヤレスな運用ができる、というだけでも便利ですが、電源のバックアップとしても運用できるのは心強い限りですね。
※HUB用のバッテリーは付属していないのでご留意ください。

声が聞き取りやすい

インカム越しでの会話が圧倒的に快適!というレベルで通話音声が聞き取りやすいです。
特に、他のインカムやトランシーバーに慣れている方は実感しやすいと思います。

またマイクの感度も非常に高いため、小声で話してもちゃんと聞き取ることができます。
ただし、マイク感度が高い分、他のインカムに比べて周囲の環境音を拾いやすいため、スピーカーの前など音が鳴っている場所で使用する時は、マイクを口元ギリギリの位置まで近づけて話さないと声が環境音に紛れて聞き取りづらくなってしまいます。
またライブ会場など、常に大音量で音楽が鳴っているような現場での運用は厳しいかもしれませんね。

XLRで音声を入れることができる

HUBの背面にある「PGM IN」というXLR端子を挿せる口があり、そこへLINEレベルで入力すると、ヘッドセットから入力した音声を流すことができます。

XLR端子を挿せる

なので、プログラム音声(番組の配信音声など)をHUBに入れれば、スタジオから離れた場所にいるスタッフが番組の進行状況を把握することもできます。
また音量もHUBから18dB〜+18dBの内から7段階で調整ができるので、「ヘッドセットでのやりとりがプログラム音声で掻き消えてしまう」ということもありません。
「PGM IN」から入れた音は音質が良いとは言えませんが、スタジオから離れた場所でも番組の進行状況を把握できる、かつ片耳でインカムとプログラム音声が聞けるのは便利ですよね!
インカムを左耳で聞き、プログラム音声の返しをイヤモニを通して右耳で聞き、目の前の人と話す時はどちらかを取って会話する... という煩わしさを解消できます。

PCでHUBの設定を変えることが可能

これは良し悪しがあると思いますが、PCとHUBをLANケーブルで接続してIPアドレスを合わせると、PC上からHUBの設定を変更することができます。
メリットとしては、PC上からサクサク設定を変更できるので便利、デメリットとしては、HUBで設定を完結できない(グループの振り分けはPCでのみ可能)、PCとHUBの接続方法がやや面倒という感じです。

またHUBのWi-Fiへ接続したスマホからアプリを通して設定を変えられますが、設定できる項目に制限があるためPCで設定することをオススメします。

付属品が充実

これもまた地味に嬉しいポイントです。
付属でスポンジタイプのオンイヤー型パッドと、ソフトレザータイプのオーバーイヤー型パッドが付いてくるのもポイントが高い!
いつのまにか破れていることがあるマイクの風防も1セット分予備がついてきます。
一式全てが収まる専用ケースも込みなので、別途ケースを発注する手間とお金もかかりません。


さて、ここまで『Solidcom C1-HUB8S』の性能などをご紹介してきましたが、もうひとつ、特大の便利機能があるんです!

なんとZoomでの使用が可能!

個人的に一番驚きの機能が、Zoomに接続できるという点です。
USBケーブルでPCとHUBを接続すると、『Solidcom C1-HUB8S』がオーディオデバイスとして認識され、Zoomでマイク&スピーカーとして使用できます。

Zoomでの使用が可能

しっかりオーディオデバイスとして認識されてる...!
Zoomを通すためそれなりの遅延は発生してしまいますが、一方的に指示を出すだけでなく、相互で通話状態が保てるのは非常に便利です。
PCがオーディオデバイスとして認識するため、他のアプリケーションでも認識します。
低遅延で有名なDiscordでも使用できました。

『Solidcom C1-HUB8S』自体も35msほどの遅延があるため、通常より遅延を感じはしますが、クイックな指示出しでない限りは十分使用できます。
これを使えばロケ組とのやりとりも楽にできますね。
「あの現場で『Solidcom C1-HUB8S』があれば!」と思い当たる現場がたくさんあります。笑


ふぅ〜、新しい機材のことを沢山紹介できて、ある程度満足です!笑
そう、ある程度...ということで、ここからはもう一歩踏み込んだ内容になります。
仕様書に書いていないことを試したくなる、オタク感強めな検証結果をまとめてみました。

多機能だからこそ考えちゃう、「こういうこと出来ちゃうんじゃない?」

優れた機能を持つ機材を手にすると
「もしかしてこういうことできたりしないかな?」
と妄想が膨らみまくることありませんか?

というわけで、そんな妄想をいくつか試してみました。

公式の仕様書に記載されているものではないので、趣味の範疇となってしまいますが、軽ーい気持ちでお付き合いください。笑
(あくまで当社で検証した結果となります。あくまで参考程度として捉えてくださいませ。)

Q. HUBのヘッドセットのジャックにマイク付きイヤホンを接続したら使用できるか?
→A. 使用できませんでした。

Appleの純正マイク付きイヤホンで試してみましたが、ノイズが乗って使用できませんでした。
ちなみに、通常のイヤホンを接続したところ、両耳から正常にインカムの音声を聞くことができました。
HUBから「聞くだけ」なら、通常のイヤホンを使用することも可能なようです。

Q. 「PGM IN」にダイナミックマイクを接続したら使える?
→A. 「PGM IN」はLINEレベルでの入力のみ対応しているので使用できません。

「ヘッドセットのジャックで普通のイヤホンが挿せるなら、マイクを別で入力できれば」と思う方もいるかと思い、一応記載してみました。マイクをPGMから入れたい場合は、

Q. HUBの電源供給の方法として、「電源ケーブル」「NP-Fバッテリー」「Vマウント/Gマウントバッテリー」があるが、どれから優先的に電力供給に使用されるか?
→A. Vマウント/Gマウントバッテリー → 電源ケーブル → NP-Fバッテリーの順で使用される模様

電源ケーブルを接続した状態でVマウントバッテリーを接続した際、HUBの画面に表示されるバッテリー表記が「V」に切り替わったことから検証を始めました。

HUBの電源供給の方法は?

実際にVマウントと電源ケーブルを接続した状態で長時間使用したところ、Vマウントバッテリーの残量が徐々に減ったことから、電源ケーブルよりVマウントバッテリーを優先して使用するようです。
可能なら電源ケーブルを最優先にしてほしいところですけどね...。

Q. バッテリーの挿し替え時、どれくらいの速さで切り替わる?
→A. 替えのバッテリーを挿し込んだ瞬間に、元々接続していたバッテリーを抜いても問題なく切り替わる。

こちらの切り替えはかなりスムーズでした。
また電源ケーブルも同様で、挿し込んだ瞬間にバッテリーを取り外しても電源は落ちませんでした。
ただしHUBに内蔵バッテリーがあるわけではないので、バッテリーや電源ケーブルとの接続が全て切れた瞬間に、HUBの電源は落ちます。なのでバッテリーを交換する時は、落ち着いて確実に交換するようにしましょう。
(ただ興味を持ったから検証しただけでした。笑)

Q. プログラム音声のON / OFFの切り替えを個別にできる?
→A. グループをうまく使い分ければ近いことは可能

例えば、各ヘッドセットをグループA / B両方を選択できるように設定し、PGMはグループBのみに流れるようにします。
すると、それぞれのヘッドセットでグループBの選択をON / OFFすることで、プログラム音声のON / OFFをするのと同じことになります。
標準機能としてプログラム音声のON / OFFはありませんが、使い方次第ではこのようなことができます。


というわけで、「そこまで気にする?」といった内容だったかもしれませんが、個人的には『Solidcom C1-HUB8S』を深く知ることができて楽しかったので大満足です。

ちょっと耳寄りな情報

ここでちょっと耳寄りな情報をひとつ。
実はこちらのヘッドセット、締め付けが強めなんです。
ヘッドセットは軽くていいのですが、締め付けがきついことで長時間の使用がちょっと辛いです。
締め付けがゆるすぎても、動く度にズレるといった問題が出てくるので難しいところなんですけどね...。

しかし! そんな悩みを一気に解消してくれる、C1専用イヤホンがこの世に存在するようです!
実は6月に開催された『Slidocom C1コンソーシアム』に参加させていただいたのですが、その時に「ヘッドセットに専用イヤホンをつければ首掛け使用ができるようになる」という情報を耳にしました。
現段階では非売品ということですが、要望が多ければ販売するかもとのことです。
そのイヤホンさえあれば、締め付けのきつさや髪型が崩れてしまうなどの問題は解消するので、もし発売されたら絶対購入したいところです。

凄いからこそ見えてくる、あとちょっとな点

すごいところばかりと思える『Solidcom C1-HUB8S』ですが、以下のような「おしい!」と思う点もわずかながらあったりします。

  • マイクアームを上げていると、音量-ボタンが押しづらい
  • 自分の声の返しの音量が変えられない
  • HUBに一発でHOME画面に戻れるボタンがない

ただし、これらの欠点が気にならないほどに、メリットたくさんの製品なので、ぜひ一度レンタルなどで使ってみていただきたいです。

『Solidcom C1-HUB8S』はMONSTER DIVEでもレンタルしています。

ご興味がある方はぜひお問合せくださいませ
百聞は一見にしかず、です。本当に感動するような製品なのでぜひ!

それでは、最後までお付き合いくださってありがとうございました。

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