出典:アドビ公式ブログ
こんにちは、自社サービスである「LiveSESAMi」のプロダクトマネージャー兼、WEBプロダクション事業部のプロダクションコーディネーターの、IZMです。
仕事柄、ウェブサイトのワイヤーフレームを作成することがわりとあるんですが、作成するのに主に使っているのが、Adobe XD。そのAdobe社が、昨年Figmaの買収を発表したことで、弊社内も主にデザイナーが、ざわっとしました。
私としては、使用頻度は彼らほどではないのですが、ツール変更は、一時的に効率も下がりますし、もしXDがなくなるとしたら、同じことを2回やるってことがあまり好きじゃない自分には、微妙に死活問題だな、、という思いも少しあります。
ということで、もしXDからFigmaにツール移管するとしたら、を考えてみました。
かなりざっくり強引に要約すると、こんな感じかなと思います。
※矢印以降は完全に個人的な所感で全く根拠はありません。
Adobe各製品の機能をFigma(=ウェブで完結するコラボレーションアプリケーション」のプラットフォーム)に導入することで、製品をより迅速かつより多く設計できるようになり、プロダクトデザインプロセスのすべてのステークホルダー(デザイナー、プロジェクトマネージャー、開発者)に対して利益をもたらします。
→つまりFigmaで直接Adobeの機能を使えることにより、一つのツールで設計から開発までウェブベースでワンストップで行えるようになるということ?
そして、Adobeの活気に満ちたクリエイティブコミュニティと、Figmaの熱心なコミュニティが提携することで、クリエイティブと開発者の距離が縮まります。
→AdobeとFigmaの両コミュニティの融合?
個人的にはここが各社がこの買収に期待するところなのかな⁉️と推察しちゃいました。
買収の取引は2023年に完了する予定で、取引が完了するまで、各企業は独立して運営を続けます。
→サービスの変化が起こるのは2024年から...かな?
すでにこちらをご覧の多くの方は、それぞれがなんなのかということはご存知かとは思いますが、ここでは、両方のツールを、ワイヤーフレーム作成視点から、メリット・デメリットを含めてざっくり整理しました。
ちなみに、世界でUIデザインに使用されているツールですが、驚くほどに、主にウェブ系の制作現場でFigmaのシェアが高いということがよくわかります(2022年データ)
Most Popular Basic UI Prototyping Tools|uxtools.co
1位がFigmaで 3105票に対して、今弊社が主に使用しているXDは263票。10倍以上の開きがあります!
過去6年間で、どれだけ大きく変化したか、こちらのグラフからもよくわかります。
UI Design Tool Growth|uxtools.co
ちなみにこれらのデータの回答者は、フルタイムの、ウェブAPPやウェブサイトのデザイナー職への従事者がほとんどを占めます。
https://uxtools.co/survey/2022/demographics
さて。ようやく本題です。
※もしワイヤーフレームってなんだ?という方がみてくださった場合のために、ワイヤーフレームについて解説します。
ワイヤーフレームとは、WEBサイトの構成「どこに、なにを、どのように配置するか」が書かれた「Webサイトなどの設計図」のようなものです。
家を建てる時に作る、間取りや設計図をイメージするとわかりやすいかもしれません。
弊社でのWEBサイトの制作は、基本的にチーム戦です。
ワイヤーフレームは、デザイナーやエンジニアなどのチームメンバーと、これから制作しようとしているWEBサイトの全体像を共有し、イメージや認識のすり合わせをし、ブラッシュアップするためには欠かせません。
そういった意味で、Figmaの共有機能は、魅力的です。
今後、社外のクリエイターとお仕事をご一緒する場合も考えると、ワイヤーフレームなどの共有資料作成に使用するツールのひとつとして、Figmaも使えるようにしておきたいところです。
※今回、ゼロからの使用方法や各ツールのポイント解説などは、すでに公式サイトのユーザーコミュニティサイトや、多くの方のブログなどたくさんの情報がありますので、ここでは割愛します。
私が担当している案件の中には「STREAM TICKET」や「LiveSESAMi」といった自社サービスもあり、それらのサイトのワイヤーフレームは、既存のものをベースにアップデートすることが多いです。
またそれらの進行では、XD(ワイヤーフレーム)やプレゼンテーションツールベースでの、複数のチームメンバーとの認識のすり合わせや共同編集が、わりと頻繁に発生します。
XDで困っていたのは、ファイル更新がダイレクトにプレビューに反映されないこと、そして、共同編集者以外のチームメンバーへの共有のためにプレビューURLを発行できるのが、ファイル所有者のみである、というところでした。
そこで、現ファイルをそのままFigmaへ移行して、この問題が発生しないFigmaで更新管理することはできないか?と考えました。
そして、それを実現させるために、できるだけ現ファイルを損なわずツール移行する方法がないか調べました。
「複雑な構成でなければ」、コピー・ペーストで移管することはできます。
その時にコツとしては、XDでコピーをする時に「SVGコードのコピー」でコピーしてからFigmaでペーストすると正確な情報で移管できる可能性が高くなります。
ということですが、Figmaの Communityフォーラムによると、完璧ではないようです。
書いてある通りXDで「SVGコードのコピー」によりコピーをしてから、Figmaでペーストをしてみたところ、概ね上の情報の通り、ほぼ全てのイメージが失われました。
なにより、アートボード(※XDではアートボード、Figmaではフレームと呼びます)の情報がうまく変換されないことが、使い勝手としては悩ましいです。
例えばアートボード約40個をまとめてペーストすると、以下のように、すべてのXDのアートボード(XD)のデータがひとつのフレーム(Figma)にぐちゃっとペーストされてしまいました。。。
ひどい状態です。。
とはいえ、アートボード10個以下であれば、もう少しマシになります。
以下、9個のアートボードをペーストした場合。
惜しいのが、位置関係は保持されるのですが、複数のフレームに分かれてくれないところです。
さらに、ひとつのテキストブロックが1行単位で分割されてしまいました。
ここから整えて使う気にはなりません。
ちなみに、代表的な有料サービスとしては以下があるようです。
「Magicul」社のコンバーター
https://magicul.io/converter/xd-to-figma
サイトの紹介によると全てのシンボルと、可能な限りのコンポーネントをコンバートするそうです。
「可能な限りの」というのがどの程度かは不明です。
1ファイル$94〜(ボリュームディスカウントあり)という価格設定です。
正直なところ、ワイヤーフレームを変換するためだけに使用するには割高感があります。
Sketchを経由してエクスポートする方法です(30日のトライアル期間あり)。
Sketchのアカウントをお持ちの方であれば、こちらの方がうまくいきそうです。
「Avocode」というプラグインをしようすることで、さらにうまくいくようです。
ただこのプラグインに関しては、現在は稼働していますが、2023年で終了するという話もあるので、いつまで使えるかは不明です。
Figmaのコミュニティで開発元より紹介されていたプラグイン「Convertify」。
こちらはサードパーティー製の有料プラグインですが、10回まで無料トライアルができます。
まだXDからFigmaへの変換はベータ版であり一部不備もあるようですが、Figmaのコミュニティでは「amazing!」「saved my life bro <3」など大歓迎されていましたので、試しに使ってみました。
実際試したのは2パターンになるので、もちろんもっといい方法はあるかもしれませんが、気軽に試せて、かつ、ほかのサービスの契約や購入をすることなく使える方法の中では、一番マシではないか!?という感じがしました。
なにより、約40個のXDのアートボードが、ちゃんとFigmaでフレームに分かれています。
とはいえ実際に細かいところを見ると、困ったところは散見します。
が、SVGコードでのペーストの時に困ったように、テキストが1行ごとに分割されていることもありませんでした。
ただそれなりに手間はかかりそうです。
残念ですが、今回の簡易調査の中では、少なくとも現段階では、元の体裁を綺麗に保ったままデータを変換してくれる方法は見つかりませんでした。。
とはいえ先述の通り、案件によってはFigmaに移行するメリットがあることは事実。
多少の手間は惜しまず、移行にチャレンジしたいと思っています!
とはいえ、たった6年でシェアひと桁から90%近くにまで成長したFigmaのように、次のツールが現れる可能性もゼロではありません。
注目されているツールにリストアップされていたもののかかでも、以下などはちょっと気になります。
ProtoPie
UI/UXデザインというよりは、XD/Figmaとも連携可能なプロトタイピングツール。
Meta、WORNER BROS、Microsoft、Google、サイバーエージェントなどでの利用実績もあり、利用者拡大中。 無料プランあり。
Penpot
Figmaに類似したブラウザベースのデザインツールというこちらも、気になります。
オープンソースのプラットフォームではあるが、すでに1万社以上が導入。個人やスタートアップだけでなく、GoogleやMicrosoft、ByteDanceといった大手テック企業も活用している。利用は無料だ。
Penpotの登録者数はAdobeによるFigmaの買収発表直後から急増している。月間の新規登録者数は月次で前月比56倍にまで跳ね上がったと、米テックメディアのTechCrunchが報じている。
https://signal.diamond.jp/articles/-/1441