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ディレクター実践ノウハウ「会議ファシリテーション」

Posted by Takanori Shimizu

どうも、ディレクターのtknrです。
Webディレクターとして約8年、コーポレート室スタッフとして2年、MONSTER DIVEで活動してきました。今年から新しい役職が加わりました。ライブ配信関連サービスの開発運営を手掛けるSERVICEプロダクション事業部のセールス/PRマネージャーです。

ライブ配信にツイートを組み込む『TweetVision』(ツイートビジョン)、チケット販売型ライブ配信プラットフォーム『STREAM TICKET』(ストチケ)、限定配信に特化した映像配信サービス『ストチケLite』、そして撮影配信に最適な自社スタジオ『MONSTER STUDIO乃木坂』について、フロント役として、お客様との折衝やプロモーションをおこなうチームを担当しています。

MONSTER DIVE / Inter BEE 2021 出展時の風景

MONSTER DIVE / SERVICEプロダクション事業部(「Inter BEE 2021」出展メンバー)


ちなみに、これを機会に、ついに、なんと、Twitterアカウントもオープンに活動開始しました。初めてアカウントを取得してから15年。個人としてインターネットデビューです!

制作職から営業職に

MONSTER DIVEは、創業以来、営業専門職を置いていませんでした。
プロデューサーやディレクターが中心となって、直接、お客様とのコミュニケーションを担当、ニーズに応じてクリエイターたちも往訪会議に参加する体制を敷き、おかげさまでリピートやご紹介で成長を続けてくることができた、そんなチームです。

昨年から自社サービスを開発運営する部門がスタートしました。
そこで、自分たちのサービスを社会に広めていくために、より自発的に社外との接点をつくろうと、昨年、事業部内に「ビジネスユニット」が組織化され、現在は兼務を含めて5名のメンバーで営業活動や広告宣伝を精力的に実施しています。

制作職がそうであるように、営業職もプロフェッショナルの領域です。
ディレクター出身の僕としては、当初、その意識や技術の違いに戸惑いもありましたが、身体に染み付いた仕事の"クセ"をアンラーニングする意識も持ちながら、しかし、制作職を経験してきたからこそ、営業活動の場面で効果的な動きができる、そう感じることも増えてきました。

今回のブログでは「ディレクター実践ノウハウ」と題して、制作職/営業職を問わず、現場で使える姿勢・思考を書いていきます。

第一弾は会議(ミーティング)の場です。

会議の趣旨を意識しよう

会議は多いです。いえ、悪い意味ではなく、MONSTER DIVEでもずいぶんと効率化され、ざっくりと「集まって話そうよ」という非効率な会議は少なくなっています。コロナ禍により往訪会議が最少化した反面、定期的な短時間のテレカンが増えた昨今、アジェンダの事前提示、ペーパーレス、モデレーターの明確化など、みんな会議が上手くなりました。アイスブレイクへの理解も進んでいます。

そのような場において、ディレクターの経験を活かした立ち回り、会議ファシリテーションをどのように意識しているのか、洗い出してみました。

まず、その会議がどのような意味を持っているのか、区分しています。
僕も体系立てて理解しているわけではありませんが、例えば、思いつくラベルは以下のようなものです。

a. プレゼンテーション

主にプロジェクトの初期において、自分が用意してきた企画/仕様を発表する場です。
社内であればチームメンバーや上長、社外であればクライアント担当者に、もってきた企画/仕様の方向性を認めてもらうことがゴールになります。

どんなに面白いストーリーでも、仏頂面して書面を見せるだけでは魅力が伝わりません。
ですから、このシーンにおいて、自分は舞台に上がる役者です。
あらかじめ台本をしっかり用意しつつ、アドリブを交えて、なめらかに話す。時間配分の意識、緩急を忘れずに、最後には相手にボールを預ける=判断をいただきたい、と明確にクロージングする流れが理想です。

悪い例としては、相手の反応を伺わず、判断も得られず、ただただ時間いっぱい気持ちよく喋って終わるケースです。若かりし日、僕も多々、ありました、思い出して赤面!

プレゼンテーションの会議では、「自分が口火を切り」「お互いの温度感がひとつになって」「最後は相手に預ける」この流れをつくることを意識しています。偉そうにいえば「演出」ですね。

b. 要件定義

実務フェーズにおいて繰り返される会議のひとつが、要件定義。
このワードは技術用語として捉えられがちですが、ビジネスにおいても、「いつまでに誰が何をやるのか」を明文化する工程は、欠かせません。

そのような「決める会議」で最重要なことは、スコープを明確にすることです。

「今回は○○の件について明らかにしよう」
「ここだけは確実に今日で決めて、それ以降の話は次回に」

など、トピックを限定的にすること、そして会議の冒頭で全員に告げることを、意識して行っています。もし参加者各自が描いているゴールに相違があれば、それはできるだけ早いタイミングですり合わせておく。不毛な議論は避けるべきです。

また、1回の会議で扱うトピックは、欲張らず、必要に応じて複数回または分科会を開催することも、効果的と考えています。ひとの集中力は続きませんし、判断と判断の間に時間的なバッファを持つことで、参加者間の理解度を整える、そのような効果もあるのではないでしょうか。

c. レビュー

例えばデザインのフィードバック会議や提案資料の確認会です。
これまでの成果物を持ち寄り、お互いに意見し合う話。アウトプットした当事者、それを受け取って後工程を担当する人、マネジメント、それぞれの立場で発言します。

このとき、僕はモデレーター役を意識することが多いように思います。
長くディレクターをやってきたクセなのか、四人兄妹の三番目として育った幼い記憶のせいかもしれませんが、多くのコメントが飛び交うなかで整合性を見つけるのが好みです。

好き嫌いはさておき、このような場では誰かが話をまとめて、次のステップに進めなくてはなりません。全員が評論家になると収拾がつきません。当事者や上長は、当然、各自のスタンスを「プレゼンテーション」しますから、それら一見するととっちらかったコメントを、例えばGoogleドキュメントにリアルタイムに書記して、ストーリーラインとしてまとめていきます。

タイムキーパーとして時間配分を心がけることも有効です。
5分間のアイスブレイク、20分間のブレスト、残り20分でまとめていく、自分のなかではそんなタイムテーブルを描くことが多いです。

d. コミュニケーション

MONSTER DIVEではすべてのタスクはBacklogで進捗が可視化されています。
そのため、円滑なプロジェクトほど、コミュニケーションが希薄になりがちで、週次/月次の定例会議が「しゃんしゃん総会」になることも。それはそれで効率的で良いのですが、視野に入る可視化されたモノゴトで充足してしまうと、盲点、見逃しているファクターがあったりします。

そこで進捗報告会、定例会は、コミュニケーションの場だと意識するようにしています。
ガントチャートを見ればわかる状況でも、あえて各担当者が発言をできるように、会話を割り振る、MCのような役回りです。テレビで芸能人を見ていると雑談フリートークとはさもかんたんに感じますが、実際に自分で「何か喋ってみて」と言われると、たいていの人は、困ります。会議進行においても「どうです?」などとざっくり投げかけるのではなく、

「このタスクは大変だったみたいだけど、〇〇はどうでした?」
「この案件って○○だと思うけど、どんな温度感?」

といった形で相手にコメントを預けるイメージです。
いや、例文が分かりづらいか...恐縮です。
つまりYES/NOではない発言ができるように仕向ける、会話を促す感じです。実際のところ、「僕が言ってほしいセリフはこういう発言なんだけど、どう?」といった誘導尋問をしてしまうケースが多く、反省点なのですが、『人狼』のようなアナログゲームは上手くなります。

まとめ

ここまで4つのシーンを例に挙げて記載しましたが、それぞれの会議が別個にあるわけではなく、ひとつの会議の中で「あ、いまはコミュニケーションの場面だな」など、複合的な流れのなかで、区分を意識していくこともあります。

以上、今回はディレクターとして企画制作の会議をこのような意識で参加してきましたよ、という体験談でした。
いま、セールス/PR職に就いてみて、これは営業の現場においても通じるものがあると感じています。
昨今では営業の職務にクライアントサクセス・カスタマーサポートの要素が含まれています。顧客との会話・会議、また社内関係者との調整、様々な場で、今回ご紹介した会議進行における意識付けが、役に立つのではないでしょうか。

会議や話すことそのものに苦手意識があるひとも、います。
そういったタイプのひとにこそ、会話のシーンを意識する、何をどう進めるのか想定することをおすすめします。先の見えないダンジョンに潜るよりも、見通しのよい街道を歩くほうが、当然、心理的負担は少ないです。ビジネスを続けていくためには、苦手だなぁと自覚するからこそ、補う技術を身につけていく姿勢が重要だと考えています。あとは、声は大きめに話すこと!

などと、書いてきたところで、今回のブログはタイムアップ!
また次回、残りのトピックをご紹介していきます。不定期連載、スタートです!

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